今回は、2024年2月9日に公開された土橋章宏さん原作・脚本、ムロツヨシさん主演『身代わり忠臣蔵』の感想記事です。
討ち入りされた吉良家側からの忠臣蔵は見たことがなかったのと、吉良上野介の弟を主人公とする設定が新しく、新鮮な気持ちで忠臣蔵を見ることができました。
笑い、感動、恋模様、チャンバラありの、飽きさせない展開でうっすら勉強になる、ライトな忠臣蔵ですよ!
『身代わり忠臣蔵』作品情報
公開年 | 2024年2月9日 |
上映時間 | 119分 |
製作 | 東映 |
監督 | 河合勇人 |
原作・脚本 | 土橋章宏「身代わり忠臣蔵」(角川文庫) |
キャスト | 大石内蔵助:瑛太 徳川綱吉:北村一輝 堀部安兵衛:森崎ウィン 原惣右衛門:ほっしゃん 浅野内匠頭:尾上右近 柳沢吉保」柄本明 | 吉良上野介、孝証:ムロツヨシ
上映シネコン | TOHOシネマズ、ユナイテッドシネマ、109シネマズ、イオンシネマなど |
『身代わり忠臣蔵』あらすじ
嫌われ者の殿・吉良上野介(ムロツヨシ)が江戸城内で斬られ、あの世行き!
引用元:映画『身代わり忠臣蔵』公式HP
斬った赤穂藩主は当然切腹。だが、殿を失った吉良家も幕府の謀略によって、お家存亡の危機に!! そんな一族の大ピンチを切り抜けるべく、上野介にそっくりな弟の坊主・孝証(ムロツヨシ)が身代わりとなって幕府をダマす、前代未聞の【身代わりミッション】に挑む!
さらに、敵だったはずの赤穂藩家老・大石内蔵助(永山瑛太)と共謀して討ち入りを阻止するというまさかの事態に発展!? 幕府に吉良家に赤穂藩も入り乱れ、バレてはならない正体が…遂に!?
『身代わり忠臣蔵』感想(ネタばれなし)
土橋さん原作・脚本らしい、わちゃわちゃしていて、見終わったときに爽快感のある作品でした。
個人的にはムロツヨシ劇場がtoo muchで胃もたれしてしまい、ムロさんは二番手以降がちょうどよいなと思ったり。
ライト層向けではありますが、歴史好きも楽しめる工夫が随所に見られ、適度に歴史を学べる見やすい作品です。
日本一有名な復讐劇を斬新な設定で描く
冬の風物詩である忠臣蔵は、日本一有名な復讐劇で、300本を超える映像作品があるそうです。
その忠臣蔵を題材にするとなると、いまさら何を描くのかが難しいと思うんですよね。
この物語では討ち入りされた吉良上野介の弟を主人公とし、亡くなった兄の身代わりとして生きていくさまを描きます。
そして吉良・弟は偶然の出会いから赤穂藩の筆頭家老・大石内蔵助と繋がり、ともに討ち入りを成功に導きます。
大筋のストーリーはみんながよく知る忠臣蔵ですが、メインストーリーの裏側を壮大なフィクションで描かており、忠臣蔵という作品のポテンシャルの高さを感じました。
歴史ファンも楽しめる!散りばめられている史実
この作品は時代劇や忠臣蔵を知らない人でも十分楽しめるライト層向けの作品ではありますが、ところどころ史実や有力な説が散りばめられています。
例えば、赤穂浪士側の負傷者2名のうちの一人、原惣右衛門(ほっしゃん)が屋根から飛び降りたとき足を滑らせて捻挫している様子が描かれていたり、吉良家が討ち入りされやすい江戸郊外の本所へ引越しさせられたのは、幕府の思惑があったから、という説にも触れられていました。
土橋章宏さん原作あるあるを踏襲
私は土橋章宏さん原作の時代劇では、『超高速!参勤交代』シリーズと『引っ越し大名!』を見たことがあるのですが、それらに共通する展開は、以下だと思っています。
- ドタバタで飽きさせない展開
- 急なチャンバラシーン
- ヒロインとのうっすらとした色恋沙汰
- 見終わった後の爽快感
本作品にも当てはまってましたね。
ただ、今回は 2.急なチャンバラシーンについて、ハチャメチャ感を優先しすぎてちょっと不謹慎に感じました。(すでに見た方、ラグビーのシーンです)
見てる人がくすっとするシーンにしたかったのだと思うのですが、ちょっとやりすぎかなぁ。
原作は読んでいませんが、原作もああいった描き方をしているのか、気になりましたね。
とはいえ、全体的には次から次へと飽きさせない土橋さん原作・脚本作品が好きな人にはハマる作品だと思います。
坊主の弟・孝証(たかあき)って、本当にいたの?
この作品の主人公、吉良義央の弟、孝証(たかあき)って、実在したのでしょうか?
気になって調べてみたのですが、ウィキペディアを見る限り、一応実在したっぽいけれど、きちんとした史料には残っていなさそうですね。
江戸時代の武家は長子以外の男子は養子に行くか、僧侶になることが普通だったそう。
孝証の詳細はわからないからこそ、そんな歴史的背景を踏まえた絶妙な設定で描いたのでしょう。
歴史的な背景はきちんと汲んだうえで物語が作られているのですね。
『身代わり忠臣蔵』はこんな人におすすめ
『身代わり忠臣蔵』をおすすめする人
- 土橋さん原作作品が好きな人
- ライトな時代劇が見たい人
- 忠臣蔵が好きな人
- 忠臣蔵ってよく知らないけど知っときたいと思っている人
- ムロツヨシさんが好きな人
飽きさせない展開でうっすら勉強になるライトな時代劇ですので、普段あまり時代劇を見ない人にも、エンタメ作品としておすすめです。
また、ムロツヨシさんが1人二役を演じ、ずっとセリフがあります。存分にムロさんを堪能できる貴重な作品ですので、ムロさんの独特な演技や世界観が好きな方にもおすすめです。
「忠臣蔵ってなに?」という方、この作品を観れば大体のストーリーが把握できるので、おすすめしたいですね。気軽に歴史を学べる作品ですよ。
『身代わり忠臣蔵』が見られる動画サービス(※ありません)
2024年5月12日現在、『身代わり忠臣蔵』を見られる動画配信サービスはありませんでした。
映画の公開が2024年の2月と比較的まだ新しいため、これからレンタルが始まり、その後、見放題の対象入りするのだと思います。
配信が始まり次第、こちらの記事も更新してお知らせしたいと思います。
まとめ
日本一有名な復讐劇、忠臣蔵。その忠臣蔵の事件の裏側を、想像力とユーモアたっぷりに描いた本作品は、誰と観ても楽しめる作品です。
まだ動画配信サービスで見ることはできませんが、配信開始後はぜひ見てみてください!
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