今回は、2023年に公開された、『レジェンド&バタフライ』の感想・レビュー記事です。
タイトルの「レジェンド」は織田信長、「バタフライ」は帰蝶とも呼ばれた濃姫を指し、30年間の夫婦の絆を描きます。
信長の実績よりも、人間・織田信長にスポットを当てた作品です。
キムタク演じる「ザ・信長」の圧倒的カリスマ性は、一見の価値アリですよ。
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『レジェンド&バタフライ』作品情報
公開年 | 2023年 |
上映時間 | 168分 |
配給 | 東映 |
監督 | 大友啓史 |
脚本 | 古沢良太 |
キャスト | 濃姫/帰蝶:綾瀬はるか 福富平太郎貞家:伊藤英明 各務野:中谷美紀 斎藤道三:北大路欣也 明智光秀:宮沢氷魚 森蘭丸:市川染五郎 木下藤吉郎/豊臣秀吉:音尾琢真 徳川家康:斎藤工 滝川一益:増田修一朗 佐久間信盛:濱田岳 | 織田信長:木村拓哉
見放題 | VODprime video |
『レジェンド&バタフライ』あらすじ
政略結婚で結ばれた、恰好ばかりの織田信長と密かに信長暗殺を目論む・濃姫は、全く気が合わない水と油の関係。ある日濃姫の祖国で内乱が起こり父が命を落とす。自身の存在意義を失い自害しようとする彼女に、再び生きる意味と場所を与えたのは、他でもない信長だった。そんな信長もまた、大軍に攻められ窮地に立たされた時、濃姫にだけは弱音を吐く。自暴自棄になる彼を濃姫は鼓舞し、二人は桶狭間の激戦を奇跡的に勝ち抜く。これをきっかけに芽生えた絆は更に強くなり、いつしか天下統一が二人の夢となる。しかし、戦に次ぐ戦のなかで、信長は非情な“魔王”へと変貌してゆく。本当の信長を知る濃姫は、引き止めようと心を砕くが、運命は容赦無く<本能寺>へと向かっていく。激動の30年を共に駆け抜けた二人が見ていた、“本当の夢”とは―。
(C)2023「THE LEGEND&BUTTERFLY」製作委員会
『レジェンド&バタフライ』見どころ(ネタバレなし)
ひとりの人間としての信長の心を大事に描いているところがとても新鮮で、見ごたえがありました。
天下統一に猛進する信長の重圧、孤独、葛藤は、49歳のキムタクとダブり、とにかくエモかった。
あと、綾瀬はるかさんってほんっとに素晴らしい俳優さん!と再確認できる作品でした。
創作性が強いので、明智光秀の年齢設定とか、史実にこだわりがある人は、むむむ?と思うところもあるかもしれません。
個人的には、家康の正室を殺しておいて、自分は正室めっちゃ大事にしてるっていう信長像に違和感がありましたが、濃姫のキャラクターがすごくよかったので、カバーしてくれました。
監督は『るろうに剣心』の大友啓史、脚本は『どうする家康』の古沢良太
この作品は今をときめくヒットメーカーが監督と脚本を担当しています。
監督は、『龍馬伝』『るろうに剣心』の大友啓史で、重厚感ある映像美やかっこいいアクションシーンが特徴的です。
脚本はオリジナルで、『リーガルハイ』『コンフィデンスマンJP』シリーズでも有名な古沢良太さんが担当しています。
古沢良太さんは現在放送中の大河ドラマ『どうする家康』でも脚本を担当していますが、今作が初の時代劇作品です。
大友監督は古沢さんの脚本を「一気読みして、プロデューサーに『初稿で撮れる作品は、初めてだ』と連絡した」ほど大絶賛したそう。
誰もが知る織田信長を題材にした映画は相当ハードルが高かったと思いますが、帰蝶との創作性あふれる関係性の中で、見事に新しい信長の映画を作り上げていました。
木村拓哉と綾瀬はるかが「バディ」な夫婦役を熱演
信長と濃姫の2人を中心に物語が進んでいくのですが、木村拓哉さんと綾瀬はるかさん以外ありえないと思えるほど、抜群のキャスティングです。
誰もが知る戦国のカリスマ・信長は、まさにキムタクそのもので、とにかくかっこいい。
スターゆえの重圧や孤独感が滲み出た、「魔王・信長」の表情は、完全に憑依していました。
キムタクが信長を演じるのは98年のスペシャルドラマ『織田信長 天下を取ったバカ』以来2度目ですが、経験や年輪を重ねたうえで、より表現の説得力を持った、49歳のキムタクだからこその信長でした。
史料にもほとんど残っていない謎多き濃姫は、綾瀬はるかさんにあて書きしたのでは?と思うほどのハマリ役です。(実際には脚本先行のようです)
信長と対等で、武芸に長けた気高く強い濃姫は、「桶狭間の戦い」や京都への上洛など、重要な局面で信長に助言し、信長の意思決定に大きな影響を与えます。
そんな「バディ(相棒)」のように支え合い、夢を語り合える関係性が、いつまでも見ていたくなる理想の夫婦でした。
戦国時代に没入できるリアリティあふれる映像
この作品ではどこを切り取っても、戦国の空気感を感じる映像が楽しめます。
ロケ地は朝光寺、霊鑑寺、神護寺など、重要文化財や国宝を中心に全国31カ所で行われており、信長が居住した4つの城(那古野城、清州城、岐阜城、安土城)も登場します。
オープニングで登場する那古野城と岐阜城の一部は、オープンセットで作ったというこだわりぶり。
城の変遷は信長の栄華そのものを映し出しており、CGを駆使した豪華絢爛な安土城は、内装や異国のものを散りばめた小道具や屏風など、細部までこだわりが光り、見ていてわくわくしました。
30分間以上のボリュームで描く、緊迫の「本能寺の変」
信長の生涯を描くうえで避けては通れない「本能寺の変」。
今作品では30分間以上の時間を割いて、ボリュームたっぷりに、印象的に描かれます。
まず、明智光秀が「本能寺の変」に至った経緯が斬新。
光秀を演じるのは、映画公開時28歳の宮沢氷魚さん。
史実では光秀は60代と言われているので、さすがに若すぎでは…と思ったのですが、年下の設定が活きる、なるほどの展開でした。
また、合戦シーンは作品通して「本能寺の変」だけです。
信長の迫力に終始圧倒される、めちゃくちゃ際立った合戦シーンになっています。
帰蝶を想い、最後まで生きたかった信長の葛藤が、非常に印象的でした。
『レジェンド&バタフライ』はこんな人におすすめ
『レジェンド&バタフライ』をおすすめする人
- 信長が好きな人
- キムタク、綾瀬はるかさんが好きな人
- 人間ドラマが好きな人
- 安土桃山時代の栄華を感じたい人
最初から最後までずっと信長と濃姫が登場しますので、キムタクと綾瀬はるかさん好きの方には文句なしにおすすめです。
2人の関係性がメインで描かれていますので、時代劇と言えばチャンバラ!という人よりは、人間ドラマが好きな人におすすめですね。
また、今作品は邦画では異例の製作費20億円をかけたビックプロジェクトです。
安土城に代表される、信長の栄華がふんだんに映像に詰め込まれていますので、華やかな戦国時代を感じたい人には、私はこの映画を推します。
『レジェンド&バタフライ』が見られる動画サービス
2023年8月29日現在、『レジェンド&バタフライ』を月額利用料のみで見られる動画配信サービスは、prime videoです。
上記以外の動画配信サービスだと、別途レンタル料やポイント購入が必要な場合がありますので、ご注意ください。
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まとめ
今作品は、信長の実績よりも、人間・織田信長にスポットを当て、信長の心情や濃姫との関係性を主に描くため、歴史ライト勢・ガチ勢、どちらも楽しめます。
49歳のキムタクが演じる信長は、とにかく深みがあって本当にかっこいい。
いろいろ書きましたが、この映画の魅力は?と聞かれたら、何はともあれ「キムタクの信長がかっこいい」ですね。
『レジェンド&バタフライ』は、prime videoで視聴できますので、興味を持った方はぜひ見てみてくださいね。
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また、信長を題材にしたおすすめ映画はこちらの記事にまとめていますので、よかったら読んでいってください。