今回は、2019年に公開された、映画『決算!忠臣蔵』の感想・レビュー記事です。
限られた予算内でなんとか討入りを成し遂げようとする赤穂の家老と勘定方の奮闘を描く、時代劇コメディです。
脚本・監督は、『殿、利息でござる!』『忍びの国』などの時代劇作品も多い中村義洋さん。堤真一さんと岡村隆史さんのダブル主演です。
悲劇として語られがちな「忠臣蔵」を、お金という新しい切り口でコメディタッチに描いているのが新鮮ですよ!
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『決算!忠臣蔵』作品情報
公開年 | 2019年 |
上映時間 | 125分 |
配給 | 松竹 |
監督・脚本 | 中村義洋 |
原作 | 「忠臣蔵」の決算書 (新潮新書)』 | 山本博文『
キャスト | 堤真一|矢頭長介:岡村隆史|大高源五:濱田岳|不和数右衛門:横山裕 菅谷半之丞:妻夫木聡|堀部安兵衛:荒川良々|吉田忠左衛門:西村まさ彦|原惣右衛門:木村祐一 | 大石内蔵助:
見放題配信VOD | prime video、Hulu |
『決算!忠臣蔵』あらすじ
今から約300年前。赤穂藩藩主・浅野内匠頭(阿部サダヲ)は幕府の重臣・吉良上野介に斬りかかり、明日切腹、藩はお取り潰しに。筆頭家老・大石内蔵助(堤真一)は、嘆く暇もなく、幼馴染の勘定方・矢頭長助(岡村隆史)の力を借り、ひたすら残務整理に励む日々。御家再興の道が閉ざされた彼らに残された希望は、宿敵・吉良邸への討ち入り。ただそこで発覚した大変な事実。なんと討ち入りするにもお金が必要で、使える予算は9500万!生活費や食費に家賃、江戸までの往復旅費、討ち入りするための武具。お金はどんどん出ていくばかり…。節約する人もいれば無駄遣いする人もいて、プロジェクトは超難航!予算が足りずに、やる気満々の浪士たちのリストラも余儀なくされる結末。どうする大石内蔵助!?予算の都合で、チャンスは一回!果たして彼らは【予算内】で、一大プロジェクト【仇討ち】を、無事に【決算】することができるのか!?
引用元:prime video
『決算!忠臣蔵』見どころ(ネタバレなし)
数多くの映画やドラマの題材となってきた忠臣蔵が、新しい視点で描かれているのが面白かったです!
コメディ一色かと思いきや、シリアスな場面も意外に多くてメリハリがあり、飽きずに見られました。
全編関西弁なのと、昔の言葉がわかりづらい部分があるので、忠臣蔵の基本的な知識は知っておいたほうが、ストーリーを理解しやすいと思います。
『決算!忠臣蔵』見どころ・おすすめポイント
一次史料を基に、お金にスポットを当てた新たな忠臣蔵
この作品の大きな見どころは、かなり信憑性の高い資料を基にした物語だということです。
原作は、江戸時代研究の第一人者である、東大の山本博文さんの著書、『「忠臣蔵」の決算書 (新潮新書)』です。
『「忠臣蔵」の決算書 (新潮新書)』は、一次史料である、忠臣蔵の中心人物・大石内蔵助が記した決算書を読み解き、討入り計画の実像に迫った新書です。
一次史料とは、当事者の日記、手紙、公文書などを言い、歴史学で使用する、信憑性の高い資料を指し、それ以外の二次史料は、後世に編纂された軍記物など、誇張や創作、嘘が多いとされています。
お金に苦労した忠臣蔵の裏側を描かれており、歴史学者が読み解いた、忠臣蔵の新たな側面を知ることができます。
赤穂藩浅野家が取り潰しにあってから討ち入りをするまでにかかるお金は様々です。
藩士たちの退職金、江戸や京都への旅費、浪人たちの生活費、会議費、武器購入費などなど・・・
無駄遣いしたり、節約したり、リストラしたり・・・あの手この手でみんなで協力し、なんとか予算内で討ち入りを成し遂げようとします。
なぜ47人で討ち入りしたのか?なぜ12月だったのか?なぜ揃い衣装は火事装束だったのか?実は全部「お金」が関係していた!?
お金にスポットを当てると、今までと違った忠臣蔵が見えてきます。
また、赤穂浪士のお金の使い方を通して、江戸時代の武士の生活のありようが見て取れるのも面白いですよ!
芸人多数出演!関西色濃い豪華キャスト
舞台となる赤穂藩は、現在の兵庫県赤穂市です。
登場人物はほぼ全員赤穂藩士なので、全編関西弁で進みます。
そして、主演の堤真一さん、岡村隆史さんはじめ、関西出身のキャストが集まっています。
吉本興業が制作協力しており、岡村隆史さん以外にも、木村祐一さん、西川きよしさん、板尾創路さん、村上ショージさんなど、吉本興業の芸人さんの起用も目立ちます。
わき役を飾る俳優陣の豪華さも、大きな見どころです。
阿部サダヲさん、妻夫木聡さん、西村まさ彦さん、寺脇康文さん、荒川良々さん、笹野高史さん、山口良一さん、竹内結子さん、石原さとみさんといった、主演、準主演級の俳優たちが揃います。
しかも、出演者が多いので、一人当たりのセリフ数が少ない!
主演級の俳優陣を、そんなちょい役に使っていいの?と勝手に心配になりました。
みなさんコミカルな演技に長けており、思う存分笑わせてくれます。
個人的には堤真一さんの演技が大好きでした。
かっこいい演技も、情けない演技も、シリアスな演技も、どの演技も素晴らしかったです。
たった一言のセリフの言い回しで人を笑わせられるって、すごい。
ダブル主演の岡村隆史さんは、この作品で第43回 日本アカデミー賞(2020年)の優秀助演男優賞を受賞しました。
コメディとシリアスの緩急で飽きない展開
討ち入りしたい派・したくない派の攻防や、お金を無駄遣いする様子、どうにかして討ち入りを予算内でできるように奮闘するさまが、コミカルに描かれます。
特に大石(堤真一さん)が遊郭で遊び倒すシーンは、声を出して笑ってしまいました。
全編コメディかと思いきや、親戚筋との政治的なやり取り、同じ赤穂浪士内での思惑の交錯、武士の一分・主君への忠義から仇討に傾いていくところ等、物語が動く重要な場面は、シリアスに描かれます。
そういった随所に散りばめられるシリアスな展開がメリハリをつくっていて、最後まで飽きずに見られました。
『決算!忠臣蔵』はこんな人におすすめ
『決算!忠臣蔵』をおすすめする人
- 忠臣蔵の基本的なエピソードを知っている人
- 新しい視点で忠臣蔵を見たい人
- コミカルな時代劇が好きな人
- 堤真一さんが好きな人
この作品は、忠臣蔵の事件の基本的な流れを知っているほうが楽しめます。
理由は2つあります。
ひとつめは、今までの忠臣蔵とは違った視点で描かれているところが『決算!忠臣蔵』の面白さであるため、そもそも忠臣蔵についてを知らないと、最大限面白みが感じられないからです。
ふたつめは、関西弁、当時の言葉、難しい用語が飛び交うため、基本的な忠臣蔵の流れを知らないと、話を理解するのが難しいからです。
私も見ながら、「今のどういう意味?「なんて言ったの?」「なんで怒ってるの?」と思った箇所がいくつかあり、リプレイしたり、言葉の意味をググったり、「忠臣蔵」を調べながら見進めました。
完璧に理解できなくても、忠臣蔵の流れを知っていれば、なんとなくわかるところも多かったです。
事前にウィキペディアなどを読んで、ざっくり把握するだけでもいいと思います。
また、お金という新しい視点からの忠臣蔵なので、「もう忠臣蔵の作品は飽きたなぁ」と思っている方にもおすすめですよ。
コメディ要素が強いので、肩ひじ張らない時代劇が見たい人にもぴったりです。
あと、堤真一さんが最初から最後まで出ずっぱりなので、堤真一さん好きにもおすすめです。堤さんの多彩な演技が見られますよ。
『決算!忠臣蔵』が見られる動画サービス
2023年9月16日現在、『決算!忠臣蔵』を月額利用料のみで見られる動画配信サービスは、prime videoまたはHuluです。
上記以外の動画配信サービスだと、別途レンタル料やポイント購入が必要な場合がありますので、ご注意ください。
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まとめ
『決算!忠臣蔵』は、コメディ作品として面白いだけではなく、忠臣蔵の新たな発見がとても興味深い作品です。
討ち入りシーンや殺陣のある時代劇を見たい方には物足りないかもしれませんが、肩ひじ張らずに見ることができますよ。
『決算!忠臣蔵』はprime videoまたはHuluで視聴できますので、興味を持った方はぜひ見てみてくださいね。
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今作品で大石内蔵助を演じた堤真一さんが、織田信長を演じる、映画『本能寺ホテル』も面白いですよ。
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