『信長を殺した男 ~本能寺の変 431年目の真実~』は、2016~2020年に別冊ヤングチャンピオンで連載された歴史漫画で、単行本は全8巻です。
タイトル通り、信長を殺した男である明智光秀を主人公に、「本能寺の変」の真実に迫る歴史漫画です。
この記事では作品の見どころ・感想を紹介します。
『信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~』作品情報
タイトル | 信長を殺した男 ~本能寺の変 431年目の真実~ |
作者 | 漫画: 藤堂裕 原案: 明智憲三郎 |
巻数 | 全8巻 |
出版社 | 秋田書店 |
連載誌 | 別冊ヤングチャンピオン |
連載期間 | 2016~2020年 |
『信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~』あらすじ
真説・明智光秀伝。我々が習った歴史は、“嘘”だった!!?明智光秀が主君・織田信長を討った日本史上最大のミステリー“本能寺の変”! 現代でもなお多くの謎が遺される大事件を400余年の時を経て解き明かす!!
引用元:ヤンチャンWeb
『信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~』全巻読んだ感想(ネタバレ注意)
おすすめポイント
すごく面白かったです!一気読みしました。
歴史の勉強になりますし、「本能寺の変」の見方が大きく変わる作品でした。
この作品の私のおすすめポイントを紹介します。
「本能寺の変」を新たな視点で捉えられる
ストーリー展開について
原案者は、明智光秀の子孫・明智憲三郎さんです。
明智憲三郎さんは「本能寺の変」の真実を十数年かけて研究し直している方です。
この作品は、学校で習ったり、ドラマ・映画・小説で描かれてきた「本能寺の変」の”通説”は事実なのか?という問いから作られています。
ここで言う”通説”とは、織田信長に対して積み重なった明智光秀の恨みが「本能寺の変」に繋がったという、”怨恨説”を指します。
”怨恨説”は、「本能寺の変」から40~220年後に描かれた軍記物の内容を元にしていて、創作性が強く、信ぴょう性が低いそう。
しかし、この”怨恨説”は数多くの研究者・作家によって広められた結果、通説として現代に定着しているそうです。
なぜ「本能寺の変」が起きたのか?
明智光秀は何がしたかったのか?
新たな研究結果からこれらの疑問を解き明かしていくストーリー展開です。
なぜ信長は討たれたのか?また、光秀は信長を討った後、どういう計画で何がしたかったのかが詳しく描かれていた点が非常に良かったです。
私は、織田信長が魅力的に描かれている作品を見るたび、「本能寺の変」にモヤっとすることが多々ありました。
それは、なぜ討たれたのか?の部分の説得力が弱いと感じていたからです。
あと、「本能寺の変」の”怨恨説”って、衝動的にも見えてたんですよね。
光秀は「本能寺の変」のあとすぐ秀吉側に討たれてしまうし、「もしかして光秀ってノープランで信長討ったの?」と不思議でしょうがなかったんです。
でもこの作品を読んで、それらのモヤっとしたことが解消され、「本能寺の変」の見方が大きく変わりました。
要所要所で根拠となる文献にも触れながら話が進んでいくため、説得力を感じられるのもよかったです。
結局のところ何が真実なのかは誰にもわかりませんが、「こんな『本能寺の変』があったのかもしれない」と、自分の中に新たな視点が芽生えた作品でした。
この作品が語る”真実”も、「本能寺の変」におけるひとつの可能性なんだと教えてくれる学校の先生が現れたら、明智家・子孫の皆様も救われるかもしれませんね。
明智光秀と豊臣秀吉のキャラクターが対照的
この作品では、明智光秀は渋いイケてるおじ様、豊臣秀吉が姑息でずる賢いジジイに描かれています。
そのため、読みながら自然と最初から最後まで明智光秀を応援している自分がいました。
明智光秀が豊臣秀吉に敗れる姿は、わかっていても切なかったです…。
豊臣秀吉は、とても低い身分から出世した、まさに「下剋上」を体現した人物。
使える手段はすべて使い、何が何でも上り詰めるためにあらゆる策を講じる姿は、豊臣秀吉のわかりやすいキャラ設定になっていました。
史実に基づいた展開が勉強になる
TVドラマや映画の映像作品は、どうしても何十年という1人の人生を、同一の役者さんが演じることが多いですよね。
そのため、人物の本当の年齢や、登場人物同士の年齢差がわかりづらいと思ってました。
例えば、「本能寺の変」が起きた当時、明智光秀は67歳で、織田信長は49歳です。
光秀はイメージよりご年配でした…!
TVドラマや映画の印象だと、特に明智光秀は40~50代の役者さんが演じていることが多いですよね。
この作品では史実に基づいた年齢相応に人物が描かれているため、時代が進んでいく様子や、人物同士の年齢差が視覚的にわかりやすいです。
また、戦国・安土桃山時代の有力な武将たちが数多く登場しますので、歴史の復習になります。
「この出来事ってこういう流れから起きたんだ」「この人物って名前はよく聞くけど何した人か知らなかったな」など、新たな学びもたくさんありました。
大河ドラマ『どうする家康』の予習・復習になる
織田信長と同時代を生きた徳川家康は、この作品においても超・重要人物です。
そのため、大河ドラマ『どうする家康』とこの作品を通して、家康を巡る事件や、描かれ方の違いを楽しむことができます。
松本潤さん演じる大河ドラマ家康のキャラクターは、人が良く、実直で多少抜けている「陽キャ」な描かれ方をしています。
個人の感想です(笑)
この作品の家康は、疑い深く、信長への怨恨が心の底で激しく渦巻いている、「陰キャ」な描かれ方です。
個人の感想です(笑)
また、大河ドラマでも印象的な、家康の正室が亡くなる「築山事件」ですが、この作品ではまた違った描かれ方をしています。
人物も出来事も多面的に捉えられるので、自分なりの歴史の解釈が深まります。
絵がうますぎて臨場感がすごい
この作品は藤堂裕さんが作画を担当されていますが、とにかく絵が素晴らしくうまいです。
歴史物なので、とにかく登場人物が多いのですが、ひとりひとりの書き分けをしっかりされているために、わかりやすく、ストーリーに集中しやすいです。
また、人物の表情、情景描写の表現力が素晴らしいです。
人々の感情、戦況の移り変わり、戦の残虐さが印象的に描かれていて、引き込まれます。
こんな人におすすめ
『信長を殺した男 ~本能寺の変 431年目の真実~』をおすすめしたいのは、以下のような人です。
こんな人におすすめ
- 大体の歴史の流れや主要な武将を知っている人
- 戦国・安土桃山時代が好きな人
- ファンタジー要素が少ない歴史物が好きな人
- NHKの歴史教養番組『歴史探偵』が好きな人
この作品は文字数と登場人物が多いです。
そのため、基本的な歴史の流れや人物を知らないと、読み進めるのが大変かもしれません。
また、新たな史実を明らかにしていく作品でもあるので、歴史の謎を解き明かしていくNHKの歴史教養番組『歴史探偵』が好きな方には、ハマる作品だと思います!
まとめ:『信長を殺した男 ~本能寺の変 431年目の真実~』全巻読むなら「Yahoo!ショッピング版 ebookjapan」がおすすめ
『信長を殺した男 ~本能寺の変 431年目の真実~』は、謎の多い「本能寺の変」の見方が変わる、とても面白い作品です。
全巻読むなら、70%OFFで読める電子書籍のYahoo!ショッピング版 ebookjapanがおすすめです。
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